『災害時要援護者支援説明会』に出席して、社会福祉法人みはらし中区障害者地域活動ホームの方から2011年3月11日金曜日14:46に起こった東日本大震災でのお話を伺いました。
非難をされるときにお身体が不自由なために車いす生活をされていた方が、支援者に「もう危ないから自分のことはいいから逃げて!」と津波にのまれていったというお話を聞き、とても悲しく衝撃を受けました。
不自由な生活を送っている方はいち早く安全な場所への非難が必要で、より多くの方々が助かるように事前に災害時要援護者についての配慮事項を心に留めておくようにしなければいけないと痛感しました。
普段の生活が一変する災害時は、健常者でも精神的に大きなストレスを受け、平常心を維持していくのが大変な中で人の事が考えられなくなることもあると思います。ですが、過去に起こった災害時には、かなり多くの方たちが助け合い、励まし合いそれを乗り越えてきたと聞きます。多くの方たちが犠牲になった中で残された命を繋いでいくことの大切さを考えていく勇気に感銘を受けます。
・一人暮らしの方は、情報が入りにくい。
・車いす・杖・舗装靴を使用している方は、道路の状況が変わると移動できない。
・介護者が高齢で、本人と一緒に非難できない。
災害時要援護者への配慮事項
社会福祉法人みはらし中区障害者地域活動ホーム
・段差や狭い通路、手動のドアがあると移動が妨げられてしまうことがあります。
・障害特性で、顔や手足が自分の意思とは関係なく動いてしまうことがあります。
・手足が動かないだけではなく、感覚が無かったり体温調整が困難な方もいます。
・車いすに乗っている方は、押している方よりスピードを感じます。
止まる時や車いすから離れる場合は、必ずブレーキをかけてください。
段差がある時は、本人に声をかけてください。
・ストレスに弱く疲れやすい方
・対人関係やコミュニケーションが苦手な方
・発音が不明瞭な場合
・周囲の言動を被害的に受け止める場合
・下痢や吐き気、頭痛などの肉体的な不調を抱えている場合
・視覚障害がある方は、どこに誰がいるのか分からない状況で歩行に関しても段差や障害物などに不安があります。
・声掛けをする場合には、突然身体に触れたり衣服を引っ張ったりするのではなく、必ず先に声をかけてから身体に触れるようにしてください。
・危険物や障害物などがある場合、前後左右のどこに何があるかを詳しく伝えてください。
・「あちら」「こちら」などの曖昧な伝え方ではなく「右前方に○○がある」といった具体的な伝え方を心がけてください。
・聴覚に障害がある方の中には、声を出して話せる方もいますが、相手の声は聞こえていない場合があります。
・補聴器をつけていても明瞭に聞こえているとは限りません。
・声が出せないので助けが呼べません。
・情報が伝わらずにいろいろなことに遅れてしまう危険があります。
・紙に書いて見てもらうか、避難所などではホワイトボードに分かりやすい言葉で書いて情報を伝えてください。
・いつもと違う環境・・・自閉症の方は、新しい場所がとても苦手です。
・物理的なバリヤー・・・身体に障害のある方、トイレや移動が困難になります。
・付き添う方の支援・・・付き添う方は本人から離れられないので孤立してしまいます。
・曖昧な言い方や二重否定の表現をされるとわかりません。
「困っていることはありませんか?」ではなく
「水を飲みますか?」などのように具体的に聞いてください。
・痛みや苦痛を表現できないために見かけより重症の場合があります。
骨折していても本人からの訴えが無く後から分かるというケースがあります。
・年齢相応の社会性が見についていない方もいらっしゃいます。
大きな声でおしゃべりしたり、順番が待てない場合があります。
・相手の表現やその場の雰囲気を読み取ることが苦手な方もいます。
・抽象的な言い方では理解しにくい事もあります。
・パニック(混乱)になった時に声をかけても耳に入らないとこともあります。
・伝えたいことは、例えば「靴を脱いでからここに座ってください」と続けて言わないで
「靴を脱いでください」「ここに座ってください」と分けて伝えてください。
・言葉より絵や写真を用いて伝えると理解できる方もいらっしゃいます。
コミュニケーションボードを使用すると良いでしょう。